Room of the sun.


『試練』

<9月14日(火)>                                               

朝、ペットクリニックで2度目の診察を受けました。
しかし、首の奥から脳への膿は良くなっておらず、また沢山の膿が溜まっていました。
もう一度膿を取って頂き、状態を診て頂きましたが、獣医さんの言葉は
「やはり、助かる見込みは無いに等しい」というものでした。
私達は大変なショックを受けながらも、例えほんの少しだけでも可能性があるならと、
奇跡が起きる事を信じ、帰宅しました。
相変わらずの身体の向き替えや、シート換え、水を飲ませたり、流動食を与えたり。

それは突然やってきました。
Sunを胸に抱いて夜の流動食を食べさせ始めた頃、最初の内は少しずつ食べていましたが、
どんどん飲み込めなくなってしまいました。
流し込み方が悪いのかなと考えていたら、
急にSunの足が大きく”ビクッビクッ”と痙攣を始めたのです。
私は、喉に詰まってしまい呼吸が出来ないのではと、
慌ててSunを逆さまにして背中等を叩いたりしました。
それでも全く反応がなく、口の中を見ると舌が上顎にくっついた状態になっていました。
必死に舌をはがし、口を開けさせようとしましたが、すぐに上顎にくっついてしまい、
その時には、すでに呼吸は止まっていました。
あれだけ硬くなっていたSunの身体は力が抜け、ダラッとしてしまいました。
次に、心臓マッサージをやってみましたが変化は無く、獣医さんに連絡を取りました。
しかし、その答えは”蘇生は無理”との事。
あまりのショックで涙が止まりませんでした。
今、私の腕の中にいるSunは、あまりにも短い生涯を閉じてしまいました。

その少し後、Sunを連れて来た宣教師の女性達から「Sunに会いに行く」という電話があり、
Sunが亡くなった事を伝えました。
電話の向こうで泣き出してしまい、とにかく来ると言うので待つことにしました。
我が家に到着した二人は、Sunを撫でながら泣き続け「もっと早く見つけてあげれば良かった。
今日も、もっと早く会いに来れば良かった」と悔やんでいました。

私達はSunについて話し合いをし、これでやっと苦しみから解放されたのだと、
天に昇って自由に走り回る事が出来る様になったのだと考える様になりました。
彼女達が見つけなければ、道端や草むらでもっと早くに亡くなっていただろうという事は、
獣医さんからも聞いていましたし、出来る事は精一杯やって、
最後は腕に抱かれて息を引き取ったということは、もしかしたら、Sunにとって幸せだったのでは
ないかとも話し合いました。
事実、これ程涙を流してくれる人達が出来たし、私達には思い出でも彼女達は宣教師ですから
毎日でも祈ってあげる事が出来るのですから、それは幸せな事ですよね。

宣教師の二人が交替でSunを抱き、その姿をデジカメで撮っておきました。
どの様に埋葬するかについては、彼女達に任せる事にしました。
彼女達は教会で相談してみると言って帰りました。

実は、その時になっても、まだショックから立ち直れずにいて、
もう一度Sunが動き始めるのではないかと、からなかなか離れることが出来ませんでした。

               9月14日  20:30  Sun(サン)永眠                   

        〔臨終直後のSun〕


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